松の木と二世帯住宅

名称松の木と二世帯住宅
竣工年2016
所在地群馬県
構造規模木造 地上2階建て
建築用途一戸建ての住宅
延床面積189.29㎡(57.26坪)

敷地は赤城山へ向かう山腹の小高い場所にあり、赤城山や榛名山、貯水池、渋川と前橋の街並みを望むことができる、静かで豊かな眺望に恵まれた環境です。ここに計画したのは、70代のご夫婦と、現在は別々に暮らす長女家族5人、計7人のための二世帯住宅です。1階のキッチンと浴室を共有しながら、上下階で世帯の暮らしをゆるやかに分ける構成としました。
二つの家族それぞれに異なる要望がありましたが、どちらか一方を優先するのではなく、両方を丁寧に重ね合わせることで、想像以上に豊かな空間を生み出しています。その結果として生まれた変形プランは、この土地だからこそ成立する唯一無二のかたちとなりました。
共通のテーマである「和」は、深い軒や濡れ縁、太鼓貼り障子、漆喰壁などで表現し、自然素材を生かした健康的な住まいとしています。断熱性能の高い太鼓貼り障子は、開閉によって空間を閉じたり開いたりとフレキシブルに使うことができ、必要に応じて室内を仕切ることで効率的な空調計画にもつながっています。吹き抜けや階段室、各室のロフトによるパッシブな換気計画とあわせ、快適な室内環境を整えながら、どこにいても家族の気配を感じられる住空間を実現しました。
既存の松の木を大切に残し、建物と車庫を一体的に配置することで、この場所にふさわしい新たな景観をつくり出しています。